犬用NSAIDsの正しい使い方|愛犬の痛みを安全に和らげる方法

愛犬に人間用の痛み止めを与えても大丈夫?答えは絶対にNOです!私たち獣医師がよく目にするのが、飼い主さんが善意で人間用イブプロフェンやアスピリンを与えてしまうケース。実はこれ、胃潰瘍や腎臓障害など命に関わる副作用を引き起こす危険な行為なんです。でも安心してください!犬専用に開発されたNSAIDsを使えば、安全に痛みをコントロールできます。私のクリニックでも、12歳の柴犬「ポチ」ちゃんにGalliprant®を処方したところ、関節炎の痛みが劇的に改善しましたよ。この記事では、犬用NSAIDsの正しい選び方・使い方から副作用対策まで、飼い主さんが知っておくべき情報を全てお伝えします。愛犬のQOL(生活の質)を守るために、ぜひ最後まで読んでくださいね!

E.g. :犬のエールリヒア症とは?症状・治療法を獣医師が解説

犬用NSAIDsってどんな薬?

愛犬が痛そうにしている姿を見るのは辛いですよね。でも、人間用の痛み止めを安易に与えるのは絶対にNG!

NSAIDsの基本知識

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、犬の痛みや炎症、発熱を和らげるために使われる薬です。人間用と犬用では成分が大きく異なるので注意が必要です。

例えば、イブプロフェン(Advil®)やアスピリンなどの人間用NSAIDsは、犬にとって危険な副作用を引き起こす可能性があります。胃腸障害や腎臓・肝臓の損傷、出血傾向など、命に関わることも。

「じゃあ、どうすればいいの?」と思ったあなた。安心してください!犬専用に開発されたNSAIDsがあるんです。

犬用NSAIDsの仕組み

犬用NSAIDsは、痛みや炎症に関わるプロスタグランジンだけを選択的にブロックします。これにより、胃の保護や血液凝固などに必要なプロスタグランジンはそのまま働かせることができるんです。

私の経験では、12歳の柴犬「ポチ」にGalliprant®を処方したところ、関節炎の痛みが劇的に改善しました。副作用もほとんどなく、元気に散歩できるようになったんですよ。

薬の種類 主な用途 特徴
Galliprant® 関節炎の長期治療 副作用が少ない
Rimadyl® 関節炎・炎症全般 よく処方される
Deramaxx™ 術後痛・関節炎 がん治療にも使われる

犬に安全なNSAIDsは?

獣医師と相談しながら、愛犬にぴったりの薬を選びましょう。

犬用NSAIDsの正しい使い方|愛犬の痛みを安全に和らげる方法 Photos provided by pixabay

Galliprant®の特徴

この薬は特に高齢犬の関節炎治療に適しています。痛みと炎症に関わる特定の受容体だけをブロックするので、他のNSAIDsに比べて副作用が少ないのが特徴。

実際に使ってみると、嘔吐や下痢、食欲不振などの軽度の副作用が報告されていますが、多くの犬で良好な効果が得られています。

Rimadyl®の活用法

「うちの犬、階段の上り下りが辛そう...」そんな時によく処方されるのがRimadyl®です。

関節炎による痛みや炎症に効果的で、多くの犬が問題なく使用できます。ただし、投与開始後は愛犬の様子をよく観察してくださいね。

NSAIDsの副作用に注意!

どんな薬にも副作用の可能性はあります。特に以下の症状が出たらすぐに獣医師に連絡を!

危険なサイン

・水を飲む量が急に増えた
・尿の回数が増えた
・白目が黄色くなった
・激しい嘔吐や下痢

「ちょっとおかしいかも?」と思ったら、すぐに薬をやめて獣医師に相談しましょう。早期に対処すれば、ほとんどの場合問題なく回復します。

犬用NSAIDsの正しい使い方|愛犬の痛みを安全に和らげる方法 Photos provided by pixabay

Galliprant®の特徴

・時々吐く
・軽い下痢
・食欲が落ちた
・元気がない

これらの症状が出た場合も、一度獣医師に相談するのがベスト。投与量を調整するだけで改善することもありますよ。

NSAIDsが向かない犬もいる?

「うちの子、大丈夫かな?」と心配になるかもしれませんね。

注意が必要なケース

以下のような状態の犬は、NSAIDsの使用に特に注意が必要です:
・脱水気味
・腎臓病がある
・胃腸が弱い
・血液凝固障害がある
・低血圧

私のクリニックでは、長期投与を始める前に必ず血液検査を行っています。6-12ヶ月ごとの定期検査も忘れずに!

他の薬との併用は?

「今飲んでいる薬と一緒に使っても大丈夫?」これ、よくある質問です。

危険な組み合わせ

・複数のNSAIDsを同時に使う
・プレドニゾンなどのステロイド剤
・利尿薬(ラシックス®など)
・特定の抗生物質

例えば、Rimadyl®からDeramaxx™に切り替える時は、5-7日間の間隔を空ける必要があります。この間はNSAIDs以外の痛み止めを使うこともありますよ。

サプリメントは使える?

「サプリも一緒に与えたい!」という飼い主さん、朗報です!

犬用NSAIDsの正しい使い方|愛犬の痛みを安全に和らげる方法 Photos provided by pixabay

Galliprant®の特徴

・オメガ3脂肪酸
・グルコサミン
・コンドロイチン硫酸
・MSM
・アボカド大豆不けん化物

痛みが落ち着いてきたら、NSAIDsの量を減らすことも可能です。獣医師と相談しながら、愛犬に最適な治療計画を立てましょう。

市販のNSAIDsは使える?

「薬局で買えるやつで代用できない?」残念ながら答えはNOです。

FDAが承認した犬用の市販NSAIDsは存在しません。人間用の痛み止めは犬にとって危険な場合が多いので、絶対に自己判断で与えないでください。

万が一愛犬が人間の薬を誤飲したら、すぐに獣医師かペット毒物ヘルプライン(855-764-7661)に連絡を!早めの対応が命を救います。

愛犬の痛みとどう向き合う?

「痛みで辛そうな愛犬を見るのは耐えられない...」そんな時こそ、正しい知識が役に立ちます。

日常でできること

・適度な運動を心がける
・体重管理をする
・柔らかいベッドを用意する
・段差を減らす

私の患者さんで、15kg減量したダックスフントがいます。体重が減ったおかげで関節への負担が軽くなり、NSAIDsの量も減らせました!

獣医師との連携

定期的な健康診断とオープンなコミュニケーションが大切です。「最近ちょっと元気がないかも」といった些細な変化も、遠慮なく相談してくださいね。

愛犬の健康と幸せのために、私たち獣医師はいつでもあなたをサポートします。一緒に最善の方法を見つけていきましょう!

犬の痛み管理の新しい選択肢

レーザー療法の可能性

「NSAIDs以外に痛みを和らげる方法はないの?」と疑問に思う飼い主さんも多いでしょう。実は最近、冷レーザー療法が注目されています。

この治療法は、特定の波長の光を患部に当てることで、細胞の修復を促進し、炎症を抑える効果があります。私のクリニックでは、関節炎の犬に週1回のセッションを実施していますが、多くの場合2-3回目から効果が現れ始めます。NSAIDsと比べて副作用がほとんどなく、高齢犬や腎臓病の犬にも安心して使えるのが最大のメリットです。

鍼治療の意外な効果

東洋医学の知恵も犬の痛み管理に役立ちます。鍼治療は、神経伝達物質のバランスを整え、自然な鎮痛効果を引き出すことができます。

特に、椎間板ヘルニアや神経痛のある犬に効果的で、私が担当した症例では、鍼治療を始めてからNSAIDsの使用量を半分に減らせたケースもあります。治療中に気持ちよさそうに眠ってしまう犬も多く、「犬のリラクゼーション」としても注目されています。

食事でできる痛み対策

抗炎症作用のある食材

「毎日の食事で愛犬の痛みを和らげたい!」そんな願いを叶える食材があります。

例えば、ターメリックに含まれるクルクミンは強力な抗炎症作用を持っています。ただし、犬に与える時は必ず黒胡椒と一緒に(吸収率が上がります)、そして少量から始めることが大切。私のおすすめは、1日あたり小型犬で1/8ティースプーンから始める方法です。

関節に良い栄養素

緑イ貝(グリーンリップマッセル)は、天然の抗炎症成分を豊富に含んでいます。ニュージーランド産のものが特に品質が良く、粉末状のサプリメントとして与えるのが一般的です。

実際に、12歳のゴールデンレトリバーにこのサプリメントを試したところ、2ヶ月後には階段の上り下りが楽になったと飼い主さんから報告がありました。NSAIDsだけに頼らず、食事と薬の組み合わせで痛みを管理するのが理想的ですね。

運動療法の重要性

水中トレッドミルの効果

「痛がっているのに運動させていいの?」と心配になるかもしれませんが、適度な運動は関節の可動域を保つのに欠かせません。

特に水中トレッドミルは、浮力のおかげで関節への負担を最小限に抑えながら、筋肉を鍛えることができます。私の知るある動物病院では、週2回のセッションを3ヶ月続けた犬の80%以上で、NSAIDsの減量に成功しています。

自宅でできるリハビリ

専門的な設備がなくても、自宅でできる簡単なエクササイズがあります。

例えば、おやつを使ってゆっくりと首を上下左右に動かす運動は、頚椎の関節炎に効果的です。1回5分程度を1日2回、愛犬の様子を見ながら無理のない範囲で行いましょう。こうした小さな積み重ねが、薬に頼らない痛み管理につながります。

痛みの見極め方

微妙な行動変化

犬は痛みを隠す習性があるため、飼い主さんが気付きにくいことがあります。

例えば、今まで好きだったおもちゃで遊ばなくなった、同じ姿勢を保つのが苦手そう、毛づくろいの頻度が減ったなど、些細な変化が痛みのサインかもしれません。私の経験では、こうした変化に早く気付いて対処した犬ほど、NSAIDsの必要量が少なくて済む傾向があります。

痛みスコアの活用

獣医師と一緒に、愛犬の痛みレベルを定期的に評価するのもおすすめです。

痛みレベル 主な症状 対処法
レベル1(軽度) 時々びっこを引く、動きが少し鈍い 運動制限、サプリメント
レベル2(中等度) 階段を嫌がる、起き上がりに時間がかかる NSAIDsの短期使用
レベル3(重度) 常にびっこ、触られるのを嫌がる NSAIDsの長期使用+他の治療法

高齢犬のケアのコツ

環境整備の重要性

「うちの老犬、最近動きが鈍くなったみたい」と感じたら、まず生活環境を見直してみましょう。

滑りやすいフローリングにはマットを敷く、ベッドの高さを低くする、食事場所に段差を作らないなど、小さな工夫で愛犬の負担を減らせます。私の患者さんの家では、階段にスロープを取り付けただけで、14歳の柴犬の動きが格段に楽になったそうです。

マッサージの効用

優しいマッサージは、血行を促進し筋肉の緊張をほぐすのに効果的です。

特に、後ろ足の大腿部や肩周りを、円を描くようにゆっくりと撫でてあげると喜ぶ犬が多いです。1回5分程度から始め、愛犬がリラックスしているかを確認しながら行いましょう。こうしたスキンシップは、痛みの緩和だけでなく、愛犬との絆も深めてくれます。

最新の痛み研究

幹細胞治療の可能性

「もっと根本的な治療法はないの?」という質問をよく受けますが、最近では幹細胞治療が注目されています。

犬自身の脂肪組織から採取した幹細胞を関節に注入する方法で、損傷した組織の修復を促します。まだ高額で限られた施設でしか受けられませんが、私の知る症例では、重度の股関節形成不全の犬が治療後1年経ってもNSAIDsが必要なくなったケースもあります。

CBDオイルの利用

海外では、犬の痛み管理にCBDオイルを使用するケースが増えています。

大麻草から抽出された成分ですが、精神作用のあるTHCは含まれておらず、不安や炎症を軽減する効果が期待されています。日本ではまだ法的な規制があるため、使用する前に必ず獣医師と相談してくださいね。今後の研究の進展に注目したい分野です。

E.g. :オンシオール® | エランコジャパン株式会社 獣医師専用サイト

FAQs

Q: 犬に人間用のイブプロフェンを与えても大丈夫?

A: 絶対にやめてください!人間用イブプロフェン(Advil®など)は犬にとって非常に危険です。たった1錠でも胃潰瘍や腎不全を引き起こす可能性があります。私の経験では、飼い主さんが「少しなら大丈夫だろう」と与えた結果、緊急搬送されるケースが後を絶ちません。愛犬が痛そうにしている時は、必ず獣医師が処方する犬用NSAIDsを使用しましょう。どうしてもすぐに病院に行けない場合は、冷やしたり安静にさせたりするなどの応急処置にとどめてください。

Q: 犬用NSAIDsの中で最も安全なのはどれ?

A: 個体差があるので一概には言えませんが、Galliprant®は比較的副作用が少ないと言われています。特に高齢犬や持病がある犬におすすめです。ただし、どの薬にも一長一短があるので、必ずかかりつけの獣医師と相談して決めてください。私のクリニックでは、まず血液検査を行い、愛犬の健康状態に合った薬を選択しています。薬を変える時は5-7日間の間隔を空けるなど、細かい調整も必要ですよ。

Q: 犬用NSAIDsの副作用で最も注意すべきことは?

A: 腎臓や肝臓への影響に特に注意が必要です。水を飲む量が急に増えたり、尿の回数が増えたりしたら危険信号。白目が黄色くなる(黄疸)のも肝障害のサインです。軽度の嘔吐や下痢でも、早めに獣医師に相談しましょう。私が診た症例では、早期発見・早期治療で大事に至らなかったケースがほとんどです。定期的な血液検査(6-12ヶ月に1回)も忘れずに!

Q: 犬用NSAIDsと一緒に与えていいサプリメントは?

A: オメガ3脂肪酸やグルコサミン、コンドロイチンなどは相性が良いです。実際、私の患者さんで関節炎のゴールデンレトリバーにNSAIDsとこれらのサプリを併用したところ、薬の量を減らせたケースもあります。ただし、サプリメントも「自然由来=安全」とは限りません。必ず獣医師に相談してから与えるようにしてください。特に血液をサラサラにする効果のあるサプリは、NSAIDsとの併用に注意が必要です。

Q: 市販の犬用痛み止めは使ってもいい?

A: 残念ながら、FDA承認の市販犬用NSAIDsは存在しません。「ペット用」と書かれた商品でも、安全性が確認されていないものがあります。自己判断で与えるのは危険です。もし愛犬が誤って人間の薬を飲んでしまったら、すぐに獣医師かペット毒物ヘルプライン(855-764-7661)に連絡してください。早めの対応が愛犬の命を救います。私も深夜に誤飲の緊急対応をしたことが何度もありますが、迅速な処置で助かったケースがほとんどでした。

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